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2021.12.28

ROKUMEI COFEEE CO. 井田浩司さん インタビュー Part 2

2度目にご登場のROKUMEI COFFEE CO.の井田浩司さん。
今回ファウンテンコーヒーメーカーのために選んでいただいたのは、ミャンマー産のコーヒー。実際に2019年1月に井田さんが足を運んだ地域で生産され、今では設備投資などに携わっている農園から届いたもので、とても思い入れのあるものなのだとか。今回のインタビューではROKUMEI COFEE CO.とミャンマーのコーヒーの取り組みも含めてご紹介します。

ROKUMEI COFEEE CO. 井田浩司さん インタビュー Part 2

今回選んだコーヒーは「海ノ向こうコーヒー」とのコラボレーションで実現したコーヒーです。2018年からROKUMEI COFFEE CO.ではミャンマーのGenius Shan Highlands Coffeeという社会的企業のコーヒー豆を使っています。ここはコーヒーを加工できる素晴らしいミル(生産加工場)や乾燥施設を備えているコーヒー農家のリーダー的存在。技術指導にも熱心で、収穫ではどんな豆を選ぶべきか、どうやって乾燥のさせるのが効率がよいかなど細やかなアドバイスが行き届いており、ユアンガンという地域全体で高品質なコーヒーを栽培しようという気概を感じてました。
ところが現場の方々にお話を聞いてみると、Genius Shan Highlands Coffeeのミルにコーヒーチェリーを持ち込みたいけれど、距離的に遠くて協業できない村がまだまだあるといいます。であれば、それぞれの村単位でコーヒーの生産から加工までを完成できるようにしたらミャンマー産の高品質のコーヒー生産が増え、購入者である私たちと生産者の双方が幸せになれるのではないか、そんな目的で立ち上がったのが「ミャンマー マイクロミル プロジェクト」です。

ROKUMEI COFEEE CO. 井田浩司さん インタビュー Part 2

実際にはミャンマーのユアンガン地域にあるAlel Chaung (アレルチャウン村)にROKUMEI COFFEE CO. が設備投資をしました。水温計、脱穀の機械、パルパー(果肉除去機)、アフリカンベッド、発酵槽、水分値計などを購入。より高品質でおいしいコーヒーを作れる基礎を整えたイメージです。この設備投資により村単位で高品質のコーヒーの生産が可能になりました。今回、みなさまにお届けするのは、このようなバックグランドのコーヒーです。

フレーバーと味

国内の政治的混乱などが話題になってはいますが、年々クオリティが上昇しているというミャンマーのコーヒー。今回、ROKUMEI COFFEE CO.が生産加工も「ハニー製法」で指定しました。ハニー製法とはコスタリカやパナマといった中南米の農園でよく見られる生産加工で、果肉を水で洗い流すウォシュットと果肉を残したまま天日干しにするナチュラルの中間の方法です。高性能なパルパー(果肉除去機)で果肉やミューシレージ部分の大部分をこそぎ落として、乾燥させます。残った果肉に十分な糖分が含まれたまま乾燥させるために、コーヒー豆自体に甘みやコクが加わるが特徴です。この生産加工によりコーヒーチェリーが本来もつ果実としての酸味と甘さを際立たせることができました。この豆を中煎りにすることで、より多くの方に楽しんでいただける「最愛コーヒー」に仕上がったと感じています。

ROKUMEI COFEEE CO. 井田浩司さん インタビュー Part 2

ファウンテンコーヒーメーカーは、コーヒー豆のもつポテンシャルを上手に引き出せる抽出力が魅力だと感じています。以前もお話しましたが、時間 × 温度の設定も自由自在、コーヒーのまろやかさを上手に抽出できる金属フィルターが装備されているなど、だれもがおいしくコーヒーを淹れられる工夫がいっぱいあります。ROKUMEI COFFEE CO.ではコーヒーのまろやかな甘さと雑味のないクリーンな後味が共存するコーヒーを目指して日々、コーヒーを焙煎しているのですが、ファウンテンコーヒーメーカーでは私たちが大事にしている甘さとクリーンさが上手に引き出せていると感じています。特に、今回のアレルチャウン村のコーヒーは冷めてもコーヒーの甘さが感じられ、温度による味の変化も楽しめそうです。

ROKUMEI COFEEE CO. 井田浩司さん インタビュー Part 2

コーヒーの未来と今できること

コーヒーの2050年問題をご存知でしょうか?
気候変動によりコーヒーの生産量が激減するにもかかわらず、コーヒーの需要はより一層高まり、世界的なコーヒー不足になるであろうと予測されています。それが2050年問題です。 気候変動のみならず、社会問題や経済問題が複雑に絡み合い、コーヒーの栽培量が需要に追いつかなくなると言われています。コーヒー産業が抱える問題は複雑です。

自分はコーヒーの仕事を長年やっていますが、コーヒーを2軸で考えています。
1つは味と品質の追求。みなさんに喜んでいただけるような、おいしいスペシャルティコーヒーをお客様に提供し続けていきたい、と強く思っています。
2つめはコーヒーが社会にとってどういう影響を与えるかを考えること。味と品質を追求しながら2050年問題のために何か貢献をしたいと考えています。声大きく「社会貢献」や「サステイナビリティ」を謳うのではなく、粛々とできることをできる範囲でやるというイメージでしょうか。
コーヒーは誰かが何かアクションを起こさないと変わらない、という自然に回復できないステージに到達していると思います。このミャンマーでの事例のように、設備投資をすることで高品質のおいしいコーヒーがROKUMEI COFFEE CO.で飲める、お客様が笑顔になる、それによって農家さんが経済的に豊かになり彼らを取り巻く社会が少しでも明るくなる。こんなバランスの取れた形で良い循環の一端を担えれば嬉しいと思っています。

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