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2021.06.17

いつまでもおいしくコーヒーを飲むためにコーヒーの保存法を知ろう!

いつまでもおいしくコーヒーを飲むためにコーヒーの保存法を知ろう!

最近ではたくさんの情報が行き交っており、コーヒーの保存方法についても色々な提案がされています。上手にコーヒーを保存し、おいしく飲むだけには、どうやって保存するのがよいのでしょうか?

コーヒーの味や香りが劣化する3つの要因

コーヒーには避けるべきものが3つあります。
それは
①酸素、②水分、③二酸化炭素(ガス)の流出です。

コーヒーにとってひとつ目の敵は酸化です。コーヒーが空気中の酸素に触れることにより、傷んだ油特有な嫌な匂いとphの低下をもたらします。なんとなく油分がまわったような雑味が残り、スッキリとしたクリアな味ではなくなります。

二つ目は水分、つまり湿気。焙煎時に生じた成分(クロロゲン酸ラクトンなど)は水分子と反応するとphが低下。スペシャルティコーヒーならではの豊かな酸味とはまったく別物の「酸っぱさ」が全面に出てしまいます。

三つ目は、豆からの二酸化炭素(ガス)流出。焙煎したコーヒー豆は二酸化炭素を豆内部に蓄え、そのガスがコーヒーを酸素や水分などの劣化要因から守る役割を果たしています。このガスは焙煎した直後から揮発性が高い香りの成分とともに抜けていきます。時間がたってガスの抜けきったコーヒー豆は、お湯をかけても膨らみにくく、豆の組織が開きにくくなるため、香りだけでなく抽出も悪くなりがちです。

ベストな保存方法は?

ベストな保存方法は?

酸素に触れないようにし、湿気を避け、ガスが抜けるのを防ぐには、どのように保存したらよいのでしょうか?

一番簡単なのは、スペシャルティコーヒーの焙煎家の方々がこだわって選んだコーヒーバッグに入れたまま保存すること。多くのコーヒーバッグには「二酸化炭素(ガス)の弁」がついていて、コーヒーは良い状態で保存できるようになっています。飲む直前まで開封せず、このバッグにいれておくのがベストです。一度開けてしまったら、その都度しっかりと袋の封を閉じ、一般的な食品と同じように直射日光や高温多湿の場所を避けて保存するのがよいでしょう。

できれば豆の状態での保存がおすすめ

できれば豆の状態での保存がおすすめ

粉の状態で置いていたほうが便利ですが、コーヒーは豆のままで保存していたほうがより長く風味や味を楽しめます。粉の状態にすると、焙煎豆に含まれていた二酸化炭素(ガス)は、最大で70%程度失われてしまいます。残った30%の二酸化炭素も、小さな粒のひとつひとつの全面から香りとともに勢いよく抜けることに。香りや風味が大切なスペシャルティコーヒーでは、粉の状態での長期保存は向かないので、惜しむことなく新鮮なうちに飲み切ってしまうのがオススメです。

保存は冷凍庫へ

もしすぐに飲まないのであれば、豆のまま冷凍庫に入れてしまう。こんな方法を提案しているのは、ワールド・バリスタ・チャンピオンの井崎さんです。
「コーヒー豆を冷凍することで、個体が液体になることなく気体になる昇華という現象が、約16倍遅くなるとされているからです。すなわち、保存温度を下げることで、コーヒーの香りや味わいを長く保つことができます。」『世界一美味しいコーヒーの淹れ方』(ダイヤモンド社刊より)
この方法であれば常温よりも、美味しく飲める期間を伸ばすことができるのだとか。2週間以内に飲みきれないと思ったコーヒーは冷凍庫で保管してみましょう。ただし、冷えた豆が暖かく湿った空気に触れると、一気に吸湿してしまい味が劣化するので、開封しないまま解凍するなど、解凍方法にもこだわってください。冷蔵庫での長時間解凍が失敗ない方法というのは、お肉やお魚の解凍と同じですね。

最後にひとこと

焙煎家の願いは、一番おいしいタイミングでコーヒーを飲んでいただくこと。
もったいないと思わず、飲み切ってしまう。これが最高のコーヒーの消費方法に間違いありません。コーヒーは乾燥していますが、保存方法が香りや味に大きく影響する敏感な食品ということを思い出してください。

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